またもや使い分けですが、長年、編集の仕事をしてきて、「使い分けあるある」みたいな言葉をいくつか挙げてみます。
「出会う」と「出合う」
これは、人との場合が「出会い・出会う」で、物、事象との場合が「出合い・出合う」というふうに使い分けます。ほかに「出逢う・出逢い」がありますが、これはより親密な関係のときに使うことが多いですね。もともと「会う」と「合う」では、意味が違いますから、そこから考えてもよいと思います。 続きを読む 使い分け
またもや使い分けですが、長年、編集の仕事をしてきて、「使い分けあるある」みたいな言葉をいくつか挙げてみます。
「出会う」と「出合う」
これは、人との場合が「出会い・出会う」で、物、事象との場合が「出合い・出合う」というふうに使い分けます。ほかに「出逢う・出逢い」がありますが、これはより親密な関係のときに使うことが多いですね。もともと「会う」と「合う」では、意味が違いますから、そこから考えてもよいと思います。 続きを読む 使い分け
使い分けの話が続きます。
たとえば「町」と「街」はどんな使い分け方がされているのでしょうか?
最近の傾向としては「街」が好まれているような気がしますが。
基本的な意味としては、町は行政区画、地域、人が住んでいる所という意味。街は、住むというよりは、人が集まる、通る道筋という意味があります。
訓読みは両字とも「まち」ですが、音読みする言葉を並べると、より違いが分かりやすくなります。
町は町議、町民など。街は学生街、繁華街などがあります。町を訓読みする言葉では、下町、城下町などがあり、街(まち)を使う言葉は、街角ぐらいですかね。 続きを読む 町か街か
前回、「じ」と「ぢ」の使い分けについて書きましたが、その続編として、似たようなものに「ず」と「づ」の使い分けがあります。
タイトルは「少しづつ」ではなく、「少しずつ」が正しいですね。
ほかにも、文の冒頭に来る「まず」も「まづ」と書く方がいます。高齢の方に多いですね。それは、旧仮名遣いでは、OKだったからです。
この「ず」と「づ」も、新仮名遣い(正しくは現代仮名遣い)で決められた方針に沿って使うことになります。旧仮名遣い(正しくは歴史的仮名遣い)に慣れた、ご高齢の方が「まづ」「づつ」を使うことが多い理由です。 続きを読む 少しづつ
「こじんまり」と書く人が多いですが正しくは「こぢんまり」です。
このように「じ」と「ぢ」の使い分けで迷うことがありますが、どうすればよいのでしょうか。
結論としては、現代仮名遣いでは、「じ」を使う傾向とされています。
ですので、もう、そのようにするしかないですね。
細かく文法的に考えると、ややこしくなってしまいます。
たとえば土地の地は「ち」ですよね。それが濁れば「ぢ」と考えるのがふつうですが、「地面」「生地」のよみがなは「じめん」「きじ」です。
同じく中(ちゅう)なのに世界中(せかいじゅう)となります。
そうかと思えば、身近(みぢか)、底力(そこぢから)と「ちかい」「ちから」という元の言葉に従っているものもあります。
これでは、分からなくなりますね。理屈を考えたところであまり実用的とは思えません。
実用性を考えると、「ぢ」と表記されるものを憶えて、あとは、だいたい「じ」と考えればよいのではないでしょうか。
その代表的なものが「こぢんまり」ですかね。「ちんまり」から来ているので当然ですが、「こじんまり」と間違いやすい言葉です。
あとは上にも書いた、間近(まぢか)、目力(めぢから)、浅知恵(あさぢえ)など、「ぢ」と表記するものがありますので、それを押さえて置けば。
以前、マンガ「YAWARA!」で柔のおじいちゃんのセリフが「~なのじゃ」でなく「~なのぢゃ」と常に書かれていて、思わずニンマリしてしまいましたが、この現代仮名遣いという決め事は、けっこう窮屈なのかもしれませんね。
著者の方が出版社と本を出す契約を結ぶと、次は担当の編集者が決まります。編集者は自分のところに来た原稿を一通りチェックし、著者の方にご挨拶状を出します。
挨拶状の中身は、名刺を添えた担当に当たっての型どおりの文章と、これからの大まかなスケジュールなどです。
その次の過程は打ち合わせということになりますが、打ち合わせをするのはどの時期が良いのでしょうか。