目次と前書きの関係

皆さん、本の構成上、目次と前書きはどちらが先だと思いますか?

目次が先と思っている方が多いと思いますが、前書きが先になります。
そのほうが収まりがよいからです。

本の最初に目次がないのは不便とお思いかもしれませんが、前書きはせいぜい、3,4ページのものなので、目次のページは容易に見つけられますので、さほど問題ありません。

名称は「前書き」でも、「はじめに」でも、どちらでもよいですが、巻末にそれに対応するものを載せる場合は、「前書き」に対しては「後書き」、「はじめに」に対して「終わりに」とするのがよいと思います。
「まえがき」「あとがき」とひらがなにしてもよいでしょう。「はじめに」は漢字であれば「初めに」になります。「始めに」は使いません。

著者の方に、「私の本に前書き、後書きがないのはおかしいですか?」と聞かれることがありますが、必ずしも入れなくてはならないものではないので、ご安心ください。

もちろん、前書きだけ、後書きだけ、というのもありです。
ただし、先ほど少し触れたように、できるだけ簡潔に短く、というのがポイントです。
前書きが10数ページになってしまうと、これは、前書きというより、序章になってしまいます。そのあとに目次が来るというのも、なんだか違和感が出てしまいます。

実は、この短い文章を書くのが、難しいのです。前書きはできればさらっと書きたいところですが、やはり、あれもこれもとなってしまいがちです。
後書きも、近況など、本の内容と直接関係のないことを書いて、余韻を残す雰囲気を出すと、締まるというか、読み手にとって、著者がエッセイの達人っぽく感じられます。

自分史などで、前書きに、本文中の重要なことを全部書いてしまい、いわゆるネタバレ状態になってしまう方をときどき見かけることがあります。
これだと読者は、「ああ、本にはこんなことが書いてあるんだ」と、もう読んだ気になってしまい、ページをそれ以上めくらなくなる可能性も出てきます。

前書きは簡潔に、できれば見開き2ページ(1000字程度)に収めるべし、というのが私の思うところです。

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