絶安

英語がグローバルスタンダードである現代で、日本人の英語力がかねてより問題になっていましたが、ようやく小学英語教育が本格化するようですね。

2020年より、小5、小6の正式教科化が実施され、それに合わせて小3、小4も外国語活動として、英語を学ぼうということになったようです。

実際には2018年から、先行実施することが可能なので、踏み切るところも多いのではないでしょか。

問題は中身だと思いますが。
いままでの受験英語とどうバランスを取るのかですね。

はたして、これで、日本人の英語力はアップするのでしょうか?
期待しつつ見守りたいと思います。

さて、今回からは「悪文」の話です。

悪文の反対は「美文」ですが、今、美文は求められてないですよね。
せいぜい「良文」というところでしょうか。

いや、読みやすいのがいちばんなので「平文」でよいかもしれません。

『悪文 伝わる文章の作法』(岩淵悦太郎編著 角川文庫)という本があるので、これを参考に進めたいと思います。

著者は、すでに故人となられていますが、元国立国語研究所所長で、当用漢字表の改革に貢献した方です。

巻末に「悪文をさけるための五十か条」というのが、(索引にかえて)とあります。
これはかなり役立ちそうです。

その中から、「語の選び方」について。
「耳慣れない略語は使わない」がポイントです。

実は、この本の元になっている『第三版 悪文』が出たのが40年近く前なのです。
でも、今と通じる部分があるから面白いです。

当時の略語で「失体(失業対策)」なんてのが出てきます。
それから「汚職」という言葉も、本来は「瀆(とく)職」だったのを言い換えたもので、それがいつの間にか定着したそうです。

あと「絶安」というのもありました。
「絶対安静」の略語で、当時使われかけていたらしいです。

「絶安」はちゃんと「絶対安静」と元の語を使おう、と書いてあります。

つまり「絶安」は定着しなかったんですね。

今でも使えそうなので、使ってみても面白いかもしれません。
岩淵先生からは「何で今ごろそんな略語を?」と叱られそうですが。