世間を騒がせる

今年のベストセラー(日版調べ)を見てみました。

1位は『天才』(石原慎太郎 幻冬舎)です。
なんか、ちょっと前という感じもします。

内容は田中角栄伝ですが、石原氏自身が都知事時代の盛土問題などで批判されたので、よけい古く感じるのかもしれません。

2位は『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(カール=ヨハン・エリーン 飛鳥新社)。

子どもをたった10分で寝かしつけられるという絵本で、テレビで紹介されて火がついたようです。

3位は『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 特別リハーサル版』(J・K・ローリングほか 静山社)。

これはもう定番です。

4位は『君の膵臓を食べたい』(佳野よる 双葉社)。
ホラー小説のようなタイトルですが「不治の病」ものらしいです。

総体的には、テレビの影響が大きく、バラエティ番組の「読書芸人」特集で推された小説が、けっこう売れたそうです。

お笑い芸人畏るべしです。

さて、「悪文をさけるための五十か条」から、今回は慣用句の使いどころについてです。

ある店舗の朝礼でのこと。
「皆さん、世間を騒がせたサミットも終わりましたので、今日も売り上げ○○円を目指して頑張りましょう」

という訓示がありました。

「世間を騒がせる」という言い方には棘がありますね。
「迷惑だった」感がもろに出ています。

もちろん、そのつもりで言ったのではないでしょうが、そう受け取られてしまいます。
いちおう国家的行事なので、「たいへん盛り上がった」などとしたほうが無難だと思います。

ということで、今年はこれでおしまいにします。
皆様、ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。

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