一丁切り替え

せっかく本ができても、誤植が見つかると、がっかりしてしまいますね。
しかし、本作りには多くの人間が関わっている以上、必ずしも完璧には行かないのもまた事実なのです。

一流とされる出版社から出ている本でも、誤植はときどき見かけます。昔と比べて明らかに増えていますね。その理由は出版点数が増えているのに、限られた時間と限られた人数で出さなければならないという事情があるからです。

特に最近増えたのは、パソコンでの入力作業上の変換ミスですね。

先日もあるブログで、「友人が淫蕩がんになって~」という記述がありました。これは笑えませんね。ただ、ブログは気づいた時点で修正することが可能です。それに比べて印刷物は、一度完成してしまうと、修正するのに手間がかかります。

完成した本に誤植が見つかった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
その誤植の内容にもよりますが、一般的にはおよそ三つの方法があります。

まず、一番多いのは、そのままにして、増刷のときに直すということです。心残りですが、これが穏便に済むし、費用もかかりません。

次は、正誤表を作って挟み込むこと。これも内容によりますが、教科書など、学術的なものであれば、やったほうがよいでしょう。比較的、簡単かつ安価でできます。
ただし、本が一部書店に出てしまっている場合は、それを回収するという作業は困難なので、在庫分のみになります。

学術書でなく、一般書の場合、正誤表はあまりお勧めできません。その理由はやはり体裁がよくないからです。お客が本を手にとって正誤表があると、不完全な本のイメージで、買う気にはならないと思います。

それから、どうしても直さなくてはいけないと判断した場合。これは直します。
誤植のあるページだけ切り取って、修正した新しいものに付け替えるのです。
これを「一丁切り替え」と言います。本の中の一枚を取って、新しいものを貼り付けるのです。ページにすると表と裏の2ページになります。
本の中心の、のどの部分を切って、貼り付けるので、ぱっと見たぐらいでは、気づかないぐらいの出来栄えにはなります。
ただし、手間と費用はかかるので、それを誰が負担するのかという問題を解決する必要がでてきます。

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