慣用句の間違い

間違っている言葉、慣用句などを正しいと思い込んでしまう。これは誰にでもあることです。それは年月が経つほど、強化され、固まってしまいます。

たとえば私が編集を担当したある方ですが、「流れに棹さす」ということわざを使っていたのですが、これを「物事の流れを止める」という意味で用いていたのです。

これでは意味が真逆になります。舟の船頭さんが、流れの中に棹をさして、舟をスピードアップさせるのですから、物事がよりスムーズになるというのが本来の意味なのです。この間違いが生まれた原因は、恐らく「水を差す」という言葉と混同して、ネガティブなイメージを持ってしまったのだと思われます。一度そのイメージを沁み込ませると、なかなか変えることは難しいです。たぶん何十年という単位の長さで思い込んでしまうしょう。

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カタカナ表記の問題

ここでは、出版に関する雑学みたいなものを取り上げていきます。

第1回は、外来語の表記について。

もう寒くなって、少し飲む人は減っていますが、皆さんビールはお好きですよね。

ビールは英語では「beer(ビア)」で、アメリカに行って「とりあえずビール」といっても通じません。では、日本でビアと言ってないのかというと、言ってるんですね。夏になると行きたいのが「ビアガーデン」。これは正しい英語の発音ですね。

でも「ビアガーデンで生ビアを飲む」とは言わないですよね。ここは「生ビール」なんですね。このように、外来語はいつのまにかそうなったという、アバウトな部分が多いのです。地名もイタリアの水の都はベニス、ヴェニス、ヴェネツィアなど言い方はさまざまです。

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