慣用句の間違い

間違っている言葉、慣用句などを正しいと思い込んでしまう。これは誰にでもあることです。それは年月が経つほど、強化され、固まってしまいます。

たとえば私が編集を担当したある方ですが、「流れに棹さす」ということわざを使っていたのですが、これを「物事の流れを止める」という意味で用いていたのです。

これでは意味が真逆になります。舟の船頭さんが、流れの中に棹をさして、舟をスピードアップさせるのですから、物事がよりスムーズになるというのが本来の意味なのです。この間違いが生まれた原因は、恐らく「水を差す」という言葉と混同して、ネガティブなイメージを持ってしまったのだと思われます。一度そのイメージを沁み込ませると、なかなか変えることは難しいです。たぶん何十年という単位の長さで思い込んでしまうしょう。

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