山を積み重ねる

日本時間の本日朝、安倍総理がハワイの真珠湾でスピーチをしましたね。

かなりの長さでしたが、カンペも見ることなくやり切りました。
途中、何か所かあやふやなところもありましたが、よくやったと思います。

オバマ大統領の任期はあとわずかなので、トランプ次期大統領にとっては、あまり面白くはないでしょう。

スピーチの中で、「和解の力」という言葉が何度も出てきました。
安倍総理は、わざわざ英語でも言いましたね。

「Power of Reconciliation」

リコンシリエーションとは耳慣れない言葉です。
これで日米同盟の強化をより印象づけようということでしょうか。

あとは、トランプさんが就任後どうするのか、ですね。

さて、『悪文』にある「悪文をさけるための五十か条」から、今回は「比喩の使い方」についてです。

最初の例文です。

「ナインの闘志が、長打の山を積み重ねる原因となっているのだ」

「山を積み重ねる」という言葉は、あまりいいことには使いません。

「凡打の山を積み重ねる」という言い方があるので、その反対もありと考えたのでしょうが、これはまずいです。

「死体の山を築く」など、芳しくないものが積み重なる場合に「~の山を積み重ねる」「~の山を築く」が使われるので、使い方に注意したいものです。

次です。

「打ちまくった今月の活躍で、チームの中で彼の占める比重が大きくなった」

これは言おうとしていることはわかりますが、「比重」という言葉が適切ではありません。

ちょっと理屈っぽくなりますが、比重とは、ある物質の質量と、それと等体積の標準物質の質量との比ですから、これでは標準物質が何かがわかりません。

なのでふつうに「重みが増した」「誰もが頼りにするようになった」などと書いたほうがよいと思います。

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