永六輔さんが亡くなられました。
放送作家、作詞家、パーソナリティとして多大な活躍をされましたね。
「上を向いて歩こう」「遠くへ行きたい」「見上げてごらん夜の星を」など、これからも長く愛されるであろう名曲を作っていますよね。
あの独特のしゃべり方と、笑い方が印象的な方でした。
昭和の良識がまたひとつ消えた感じがして、寂しくなりますね。 続きを読む 永六輔さん
永六輔さんが亡くなられました。
放送作家、作詞家、パーソナリティとして多大な活躍をされましたね。
「上を向いて歩こう」「遠くへ行きたい」「見上げてごらん夜の星を」など、これからも長く愛されるであろう名曲を作っていますよね。
あの独特のしゃべり方と、笑い方が印象的な方でした。
昭和の良識がまたひとつ消えた感じがして、寂しくなりますね。 続きを読む 永六輔さん
本のページの開き方は通常、右のほうに開くか、左のほうに開くかの2種類です。
日めくりカレンダーのように、上のほうに開くものもありますが、だいたいは、右か左かのどちらかとかんがえてよいでしょう。
これを、右開き、左開きと呼んでいます。
さて、それでは、あなたの本は右開きにしますか? それとも左開きにしますか?
こんな質問をされたら困りますよね。
少し意地悪というか、無意味な質問です。
実際にそんな質問をする編集者はいません。
するとすれば、次のような質問でしょう。
本の組み方は、縦組みですか? 横組みですか?
分かりやすくいえば、縦書きにしますか、それとも横書きにしますか、ということです。
縦書きのものは、通常の小説やエッセイなど、文章中心のものが多いですね。
で、これは、必然的に、右開きになります。
横書きのものは、マニュアルや論文など、数式や記号、英字などが多く入るものに適しています。
これは、左開きにしないと、不自然です。
というわけで、本の開き方の右か左かは、組み方が縦か横かで決まるものだったんですね。
ですので、こちらからの提案としては、内容に応じて、これは縦組みが適しています、これは横組みのほうが読みやすいですよ、とお勧めするわけですが、もちろん、著者の方が異なるほうを希望すれば、そちらを優先します。
小説でも、現在は、パソコン、スマホで書く方が多いです。当然、元の原稿は横書きになっています。
ですので、元のかたちの雰囲気を生かしたい、ということであれば、横組みでもかまわないと思います。
実際に、一時期ケータイ小説なるものが盛んだったときは、横書きになっているものが珍しくなかったですから。
やはりスマホやパソコンの影響は大きいです。
同じ人が書いた文章でも手書きとパソコンでは、微妙に変わると思います。
これからの編集のやり方も、書き方の変革に応じて変わっていかざるを得ないでしょう。
最近、気になる日本語に「美しすぎる」という言葉があります。
「美しすぎる市議」とか、見出し風に使われています。
あまり通常の文章では見かけませんね。
一種のバラエティ用語というか、肩の力を抜くような記事のときに使われることが多いのでしょう。
ですので、あまりまともに論じるのも大人気ないですが、私などは、ひねくれているので、美しすぎると、そのまま一周回って元に戻ってしまうんじゃないかと心配してしまいます。
むかし、サラ金の帝王と呼ばれている人が、テレビで悪徳商法について追及されて、
「いや、私はそのような人たちとは、やり方が正反対です。360度違います」とコメントしていました。
360度だと、元と同じじゃん、と思わず突っ込んでしまったことがありました。
「美しすぎる」がこれだけ蔓延しているのも、「美人姉妹」など、美人○○という言葉が使われすぎて、すでに賞味期限を過ぎてしまったせいかもしれません。
「美しすぎる」も乱用すると、そのうち、また新しい言葉が必要になってくるでしょう。
ほかで、気になる日本語といえば「生きざま」も見逃せません。
しかしこれはもう、すっかり定着していますね。
もともとは、なかった言葉です。あったのは「死にざま」です。
そこから、派生して、誰かが一種の新語として「生きざま」を使ったのでしょう。
やはり「生き方」という言葉が、賞味期限を迎えていた時期だったのかもしれません。
死にざまも、よい表現のときは使いません。
「安らかな死にざまでした」とは言わないですから。
何か、安らかでないときに使われました。
ですので、嫌いな言葉として、「生きざま」を糾弾する人はけっこういました。
私の知るかぎりでは、まともな作家やエッセイストが多かったと思います。
私にとって彼らは先生ですから、先生の言うことはきちんと守るべきだと今でも思っています。
特に、葬儀などで、故人について語るときに使いがちな言葉なので、元は誤用であることを少し頭に入れておいたほうがよいかもしれません。
いつのまにか誤用が、定着してしまう言葉には、最新のものも含まれます。
一回、誤用が定着すると、まず、元に戻すのは難しいですね。
その代表的なものが「ハッカー」でしょう。
もともとは、コンピュータやネットワークについて深い知識、技術を有し、尊敬される立場にある人がハッカーと呼ばれていました。
それがいつのまにか、知識や技術を悪用して、人や社会に多大な損害を与える、犯罪者的な存在を意味するようになったのです。
現在では、明らかに悪いイメージが先行しているので、ハッカーと言われても、あまり喜ばれそうもありません。それゆえ、ますます本来の意味では、使われにくくなっています。
あっという間に、言葉の意味は定着してしまうから怖いですね。
さて、ここからは、昔からよくある、誤用されやすい言葉をひとつだけ取り上げてみます。
「すべからく」です。
これは、最初の「すべ」という言葉がいけませんね。どうしても「すべて」を連想してしまい、頭にそちらのイメージが浮かんでしまいます。
「すべからく」とは、「当然~」という意味で、そのあとは「~べし」で終わることになっています。
「すべからく、代表選手は君が代を斉唱すべし」という感じですかね。
「すべて」という意味で使っても、まったく通じないわけではないところが、誤用として微妙ですね。
あんまり「誤用感」がないというか、長年、意味をカン違いしていたショックの度は小さいかもしれません。
こうした誤用はまだまだ豊富に? あります。これからも、ときどきネタとして取り上げていくつもりですので、よろしく。
前回、紹介した梶原しげるさんの『不適切な日本語』(新潮新書)を読了。
いや、面白かったです。
しゃべりのプロなので、内容はアクセントなど、しゃべり言葉に関するものが中心になっています。スタンダードとして、NHKがよく出てきたような気がします。
それにしても、辞書の読み比べの楽しさを語るなど、この著者の探究心は半端じゃありません。
梶原さんに言わせると、国語辞典は一家に一冊、ではなくて、何冊かを読み比べなきゃダメだそうです。 続きを読む 印鑑のまちがい