永六輔さんが亡くなられました。
放送作家、作詞家、パーソナリティとして多大な活躍をされましたね。
「上を向いて歩こう」「遠くへ行きたい」「見上げてごらん夜の星を」など、これからも長く愛されるであろう名曲を作っていますよね。
あの独特のしゃべり方と、笑い方が印象的な方でした。
昭和の良識がまたひとつ消えた感じがして、寂しくなりますね。
学生時代に、勉強の傍ら、永六輔、大橋巨泉、前田武彦のお三方がフリーで語り合う、ラジオ関東(現ラジオ日本)の番組「昨日のつづき」をよく聞いていました。勝手に喋り捲る3人をうまくコントロールしていた、司会の富田恵子さんがすばらしかったですね。
当時の彼らは、みな放送作家でした。ほかにも井上ひさしなど、綺羅星のごとく優れた放送作家がいた時代でした。
さて、ここで、気になる日本語登場。
いま書いた「綺羅星のごとく」ですが、「きらぼしのごとく」と読んだ方、いらっしゃるのではないでしょうか。
それは、誤用です。正しくは「きら、ほしのごとく」です。
私が、「綺羅、星のごとく」と書けばよかったのですが、わざとまちがいを誘うような書き方をしてしまいました。申しわけありません。
そうそうたるメンバーを表現するときに、なんとなく夜空に「綺羅星(きらぼし)」がさん然と輝いているような、イメージを持ってしまいますよね。
恐らく、そのイメージが、誤用に直結してしまったんだと思います。
このように、「綺羅」で切らずに「綺羅星」で切ってしまうことを、文法的には異分析といいます。
異分析が原因となる誤用は、まだありそうです。
それについては、また明日にでも。「昨日のつづき」ということで、引用させていただいた本とともに紹介する予定です。