いつのまにか誤用が、定着してしまう言葉には、最新のものも含まれます。
一回、誤用が定着すると、まず、元に戻すのは難しいですね。
その代表的なものが「ハッカー」でしょう。
もともとは、コンピュータやネットワークについて深い知識、技術を有し、尊敬される立場にある人がハッカーと呼ばれていました。
それがいつのまにか、知識や技術を悪用して、人や社会に多大な損害を与える、犯罪者的な存在を意味するようになったのです。
現在では、明らかに悪いイメージが先行しているので、ハッカーと言われても、あまり喜ばれそうもありません。それゆえ、ますます本来の意味では、使われにくくなっています。
あっという間に、言葉の意味は定着してしまうから怖いですね。
さて、ここからは、昔からよくある、誤用されやすい言葉をひとつだけ取り上げてみます。
「すべからく」です。
これは、最初の「すべ」という言葉がいけませんね。どうしても「すべて」を連想してしまい、頭にそちらのイメージが浮かんでしまいます。
「すべからく」とは、「当然~」という意味で、そのあとは「~べし」で終わることになっています。
「すべからく、代表選手は君が代を斉唱すべし」という感じですかね。
「すべて」という意味で使っても、まったく通じないわけではないところが、誤用として微妙ですね。
あんまり「誤用感」がないというか、長年、意味をカン違いしていたショックの度は小さいかもしれません。
こうした誤用はまだまだ豊富に? あります。これからも、ときどきネタとして取り上げていくつもりですので、よろしく。