略語の話の続きです。
やはり、略語で多いのは、少し長めの組織名の略ですね。
たとえば、公取委は公正取引委員会の略です。
新聞記事などでは、ひとつの記事の字数が限られているので、そのままの長い組織名を使うと、非常に困るわけです。略語ができる背景には、そういう事情もあるのです。
それから最近、覚せい剤所持で元芸能人が逮捕された事件で、よく登場していたのが「麻取(まとり)」です。
麻取という言葉は、麻薬取締官を指すことが多いですが、組織として使う場合もあります。その場合は、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部を指します。
この麻取は、どちらかと言えば、略語と言うより、隠語に近いかもしれません。
隠語とは、たとえば、警察のことをサツというようなものです。
分かりやすくいえば、業界用語ですね。
マルサといえば、国税局査察部のことです。
この「マル○」という言葉はよく使われます。
「査」の字を丸で囲ってあるからマルサ。
警察で使われるマルボーは、暴力団の暴の字を丸で囲むことから来ています。
秘の字を丸で囲えば、マルヒですが、元の言葉は「秘密」なので、省略されているとはいいがたいのかもしれません。
被害者のことも、警察ではガイシャと呼びますが、最初の「ヒ」が抜けただけです。あまり略されていませんが、それ以上縮めると何のことか通じなくなるからしかたがありません。
また、西野カナさんのヒット曲のタイトルでもある「トリセツ」は取扱説明書の略ですが、これは、略語というより、新語といえそうです。
こうした略語は日々、生まれているともいえます。