皆さん、今週からPFが始まるのをご存知でしょうか。
ピンと来る方は少ないと思います。
以前にも書いたことがありますがPFとはプレミアムフライデーのことです。
政府が推進する「働き方改革」の一環で、金曜日は仕事を3時に終えて、パーッとお金を使って消費拡大につなげてましょうという作戦です。
すでに内閣は全省庁に当日の早期退庁を求める文書を送っているそうです。
しかし、民間側の反応は鈍いようです。
現在、PFを採用している企業(予定も含めて)に勤める人は2パーセント程度といわれています。
これは盛り上がりそうもないですね。
賛成より反対のほうが多いのが実情です。
「月曜以降に仕事のつけが回るだけ」
「中小企業、サービス業には関係ない」
「非正規の人は収入が減ってしまう場合も」
など、現場の声はごもっともというものばかりです。
今週の金曜日は公務員の人たちの微妙な表情が画面に流れるのではないかと想像しています。
さて、今回からは誤植の話です。
『増補版 誤植読本』(高橋輝次編著 ちくま文庫)という本があります。
著者はフリーの編集者で、本書は以前単行本として出たものを文庫化したものです。
内容は近代から現代までの名だたる文人の誤植・校正にまつわるエッセイを集めたアンソロジーです。
「文庫化に当たっては、誤植などを訂正し……」と断り書きにありますので、やはり誤植は避けられないのですね。
解説を芥川賞作家の堀江敏幸が書いていて、これがなかなかいいです。
正誤表に関するエピソードで、堀江が学生のころ、正誤表にちょっとした憧れを抱いていたという文があります。
私の正誤表に対する印象は、「はじめから間違いを公表するようなものなので、できればやめたほうがよい」と思っていましたが、そうでもないのですね。
やはり、本の内容が学術的なものだと、引用する資料などは多岐にわたるので、正誤表はその苦闘の証しのようなものといえます。
それにそもそも本を出さなければ、正誤表はありえません。
1冊の本を出すことが、まずたいへんなことなのだとわかりました。