頭痛の種

鹿島からスペインに渡ったサッカー選手・柴崎岳が苦しんでいるようです。

 

昨年のクラブW杯決勝でレアル相手に2点を挙げて、今年は日本代表でも活躍してくれると期待していたのですが、早くも暗雲が……。

 

柴崎選手が移籍したのはスペイン2部リーグのテネリフェというチームですが、入団してすぐにダウンして、現在ホテルで静養中とのことです。

 

環境の変化に体がついていかず、胃腸炎を起こして2週間で6キロも痩せたらしいです。

もともとスリムな体形なので、6キロはきついと思います。

 

メンタル的にも不安障害を起こしているとか。

テネリフェはカナリア諸島の一つで、気候も温暖でのんびりしたところのようです。

 

これはカルチャーショックのようなものでしょう。

生活の時間帯が日本とまったく違うそうです。

 

夕食が早くて9時で、11時ぐらいになるのも珍しくないとか。

 

スペインは公務員も3時で仕事を終えるというお国柄です。

さらにシェスタ(昼寝)もあります。

 

すべてがきっちりしてないと落ち着かない人にとっては耐えられないのかもしれません(あくまで私の想像ですが)。

 

最初からこれではむずかしそうなので「早く鹿島に戻ってこい」と彼には言いたいです。

 

 

さて、『からだことば』から、今回は「腹」と「頭」です。

 

人間の身体でいちばん大切なのはどこか?

 

その質問に現代人ならたいてい「頭」とか「脳」と答えるでしょう。

しかし、江戸時代の人は「腹」胸」と答えたのです。

 

そのころは「腹のうち」「胸のうち」ということばがあるように、こころで考えることを腹部で表現していました。

 

怒るときは「腹が立つ」です。

いまは「頭にくる」ですね。

 

「太っ腹」とは、肥満ではなく、度量が大きいことを示して、その逆が「腹黒」でした。

 

この「腹の文化」が変わったのは、明治以降、夏目漱石が小説で「頭」「脳」「神経」を盛んに使い出してからです。

 

漱石はロンドンに行き、近代西洋思考を身につけて、日本に持ち帰ったのです。

 

そこから「腹が立つ」が「頭にくる」ように徐々に変化してきたのです。

 

「頭が痛い」もそれまでは、単に生理的な痛みの意味しかありませんでしたが、困った事態に直面して心配で「頭が痛い」という心理的な意味が生まれました。

 

あらためて漱石の偉大さに気づかされました。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です