大橋巨泉さんが亡くなられていたことがわかりました。
7月12日といいますから、永六輔さんとわずか5日違いだったのですね。
もともとはジャズ評論家だった人で、そこからテレビ界で活躍し名司会者にまでなりました。
また、この人ほど、リベラルという言葉が似合う人はいませんでしたね。
永さんといい、リベラル派が次々と消えていくのは残念でなりません。
さて、タイトルの「お手数ですが」は「お手数(てすう)ですが」と読みますよね。
このような読み方を、湯桶(ゆとう)読みといいます。
「湯桶」の湯が訓読み、桶が音読み(訓読みだと「オケ」)なので、上が訓読み、下が音読みの熟語の読み方を湯桶読みというのです。
例として 前金(まえきん) 夕飯(ゆうはん) など
ちなみに湯桶とは、お蕎麦屋さんにある朱塗りの、蕎麦湯を入れる容器のことです。
湯桶読みの反対が、重箱(じゅうばこ)読みです。こちらは上が音読み、下が訓読みになっています。
例として 仕種(しぐさ) 先手(せんて) など
いずれも国語の授業で習っているはずですが、記憶にかすかに刻まれている程度だと思います。
ところで「お手数ですが」という言い方ですが、考えてみると、おかしな日本語です。
正しくは「お手数をかけますが」「お手数をおかけしますが」ですよね。
それがいつのまにか簡略化されてしまっています。
「お手数」の「お」を取ると「手数をかける」になりますが、これは手数(てかず)とも読みます。丁寧に仕事をしているという意味で使いますよね。
つまり「お手数(てかず)をおかけしますが」という言い方でも、まちがいではないですね。むしろ品のある言い方といえるかもしれません。
若い人が「お手数(てすう)ですが」ではなく
「お手数(てかず)をおかけしますが」と言い換えれば、グッと印象がよくなると思いますよ。