ジャップというと、日本人を差別する言葉として不適切とされています。
ただし、われわれ日本人がこの言葉を使うことはあまりないので、ピンとは来ません。戦時中にアメリカで日本人に対して侮蔑的な意味で使われた言葉だからです。もともとはJapaneseを縮めただけの言葉でしたが、そうした時代背景によって不適切な要素を持ってしまったわけです。
同じような言葉で、使う可能性のある、不適切とされる言葉に「支那」があります。
若い人が使う可能性はまずないですが、ある程度より上の年齢の方だと、つい使いがちです。
元都知事の石原慎太郎氏が好んで使っていた、と言えば分かりやすいでしょう。
英語では、中国はChina(チャイナ)であり、陶器の意味もあります。チャイナが不適切とされることはありません。
不適切とされるのは、日本が戦争で中国に入って、満州などを支配下に置いた時代の呼称だからです。
支那が、不適切とされるので、同様に、支那そば、シナチクなども不適切とされ、今ではそれぞれ、ラーメン、メンマと言っています。
シナチクなどはもう死語ともいえますね。
なぜか東シナ海だけはそのまま残っていますが、これは頭に「東」がついて、「シナ」があまり目立たないのと、地図上の名称なので、変更するにしても、変え方によっては、領土問題に発展しかねないので、触らないでそのままにしておかれたのではないかと考えられます。
いずれにしても、不適切とされている言葉は使わないことに越したことはありません。
ほかに民族に対する呼称として、不適切な傾向にあるとされ、言い換えられているものに、インディアン → ネイティヴ・アメリカン
エスキモー → イヌイット
ジプシー → ロマ
などがありますが、ロマ以外の2つは、「勝手にわれわれの呼び名を変えるな、元のままでよい」という人たちもいるので、あくまで現時点での傾向という感じです。