いま、石原さとみさん主演のドラマ「校閲ガール」が何かと話題になっていますね。
「あんなのありえない」などの批判もちらほら聞こえてきます。
編集者になる夢を持って出版社に入った主人公・河野悦子(こう~えつ)が意に反して校閲部に回され、そこからあれやこれや起こる、というストーリーです。
最初、配属された悦子が、地下の校閲部に行くシーンは「ショムニ」を思い出させました。
まあ、校閲というセクションはベテランしか必要とされていませんから、新人が配属されることはまずないとは思いますけどね。
よって校正者の平均年齢は高いです。
とまあ、業界の人間からすると突っ込みどころは多いですが、それはほかのドラマにもいえるでしょう。
とにかくドラマは面白くしなければ見てもらえないので、現実との乖離をつつくのは野暮というものかもしれません。
さて、『NHK 間違いやすい日本語ハンドブック』から熟語・慣用句の続きです。
今回は数字の一にこだわってみました。
まずは「一世一代」。
生涯一度の~、という意味ですが、皆さんはどう読んでおられますか?
イッセイ・イチダイと読んでないでしょうか?
実は間違いなのです。
イッセイではなくイッセ・イチダイなのです。
やはり「一世(いっせい)風靡(ふうび)」とかが頭に入っちゃってるせいでしょうか。
ついイッセイイチダイと言ってしまいそうですよね。
もちろん、ナポレオン一世などというときはイッセイでOKです。
一世(いっせ)とは仏教用語で過去・現在・未来の三世(さんぜ)のうちのひとつです。
それから、何かを成し遂げたあとの「一段落」。
ひとまずの区切りですね。
この読みはイチダンラクです。
「やれやれ、ヒトダンラクついたね」と言うと、間違いになります。
けっこう紛らわしいですよね。
また、「一日の長がある」の「一日の長」。
これをイチニチノチョーと言うとダメなんですね。
正しくはイチジツノチョーです。
下手に言わないほうがよい、と思いました。