財布をはたいて

世間ではあまり話題になっていないようですが、「ブラック企業大賞2016」のノミネート発表が先日ありました。

なぜかテレビなどでは、まったく取り上げられてませんね。

私は東スポで見ました。
さすが東スポです。

それもそのはずで、名だたる大企業が名を連ねています。
電通、関西電力、日本郵便、佐川急便など。

いやすごいラインナップですよね。

変わったところでは、仁和寺も入っています。
これは宗教法人ですよね。

選考基準は「労働法、その他法律に抵触」「裁判などで企業側の非が確定、または行政処分された企業」とはっきりしてますので、言い逃れはできません。

大賞は22日までウェブ投票が受け付けられて、23日に授賞式があるようです。
これまで出席した企業はゼロとか。

さて、『どこかおかしいあなたの日本語』から、今回は「やっぱりちょっと違う」慣用句についてです。

まずは「似て非なる」から。
「僕の作品と君の作品は似て非なるものだ」

大体、使い方は合っているのですが、意味が違います。
この言い方だと、明らかに自分のほうが上というニュアンスがありますよね。

「一見似てるけど、お前のほうの中身はたいしたことない」と言わんばかりですよね。
実はそういう意味はないのです。

たぶん「非」という言葉に、否定的なものを感じてしまうのでしょう。

「似て非なる」とは「外見は同じだが実体は異なっている」という意味で、相手を「よくない」と非難することではないのです。
主観は入らず、客観的な意味を持つものといってよいでしょう。

「格闘技とケンカは似て非なるものだ」という感じで使うのが正しい使い方です。

次は「財布をはたいて」です。

「あまりにその時計がステキだったので、財布をはたいて買ってしまった」

特に問題なさそうですが、冷静に考えると、何かが足りません。
正しくは「財布の底をはたいて」です。

底までトントンとやって、財布の中身を全部出すのです。

「有り金をはたいて」「大枚をはたいて」という言葉があるので「財布をはたいて」とつい言いがちですが「底」が抜けてます。

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