本日、テレビを見ていたら、慣用句の誤用に関する謝罪をしている場面がありました。
「ヒルナンデス」という番組の中で、水卜アナが、「先ほどのコーナーで、『○○が~』という言葉の使い方が違っていました。お詫びいたします」と謝っていたのです。
それにしても、この方はよく働きますよね。
今年も健康的な明るさで好感度1位はまちがいないでしょう。
さて、その言葉とは、誤用の話になるとよく取り上げられるものです。
いわば、誤用あるある。
「敷居が高い」です。
問題となった番組の内容は銀座の由緒ある宝飾店に、3人の女性タレントが訪れて、ワーだのキャーだの言う感じのコーナーでした。
で、その中のひとり、井森美幸さんが、「こういうお店は敷居が高いと思ってましたけど、入ってみるととても楽しいですねえ」というふうなことをコメントしたのが、誤用とされたわけです。
「敷居が高い」を、「高級そうなので、ちょっと自分には入りづらい」の意味に使うのは誤用です。
初めて入る場所ではなく、以前行ったことのある場所でないと、おかしいのです。
本来の意味は、長い付き合いのある恩師などに対して、不義理などがあって、訪問しづらくなった、あいさつしづらいということです。
それが、自分にとってハードルが高いという意味で誤用されるようになったのは、おそらく「家賃が高い」という言葉との混同もあったのではないかと推察されます。
「家賃が高い」とは、もともと相撲用語で、力士が実力以上の番付にいることを指します。
そこから、自分には分不相応という意味で、一般化されました。
ただし、いまは「家賃が高い」と言われても、なんのこっちゃ? ですよね。
このように、慣用句・ことわざが誤用となるのには、さまざまな要素が関わっています。
でも、これが謝罪することかどうかを判断するのはむずかしいですよね。
今回に関しては、謝るのは必要はないのではと思いました。
当事者である井森さんにとっては、ちょっと気の毒な結果でしたね。
確かに誤用ですが、許容もありだと思います。
こんなことにはめげずに(たぶん気にしていないと思いますが)、井森さんならではの明るいコメントをこれからも期待したいものです。