話はGW前に戻りますが、気になる記事を見かけました。
「地毛証明書」の記事でした。
都立高校の6割が一部の生徒から入学時に「地毛証明書」を提出させているそうです。
これは東京都だけではなく、埼玉・神奈川など首都圏共通の問題といってよいでしょう。
というのも、私の孫にもそういう事態があったからです。
「え!?」と思って写真を見てみると、ちょっとウェーブがかかっているように見えなくもありません。
この程度であれば笑い話で済みますが、そうでない場合もあります。
たとえば、色素が薄い関係で、髪の毛の色が茶系になっている生徒。
こういう場合は慎重に対処しないと差別につながる恐れがあります。
この騒動の背景には都立(公立)高校と私立高校の競争があります。
特に東京は全国で唯一、私立の数が都立を上回っているという事情があるのです。
生活指導が私立のほうが行き届いているということになると、都立の評判が下がり生徒が集まらなくなるという、なりふりかまわない状況に陥っているのです。
多感な年頃なのに、人権上問題になりかねないようなことをしないと生き残れない教育機関とはいったい何なのでしょう。
さて、今回からは漢字の話です。
漢字は中国から来ましたが、現在、漢字の読み方では中国より日本のほうがはるかに多様になっています。
そのせいで、日本語の表現力が高まったとも言えますが、読みを間違えるケースが多発し苦労もあります。
というようなことが『日本語の“落とし穴” できる大人の漢字2500』(話題の達人俱楽部・編 青春出版社)という本に書いてありました。
内容はさながら漢字クイズのような本ですが、読みの難しい漢字が網羅されています。
まずは誤読が目立つ初級の漢字から。
初級といっても侮れません。
「版図」「生国」「十指」
このあたりはどうでしょう。
すべて小学校で習う漢字からできている熟語です。
「版図」は領土のことで「はんと」と読みます。
「はんず」と読むとアウトです。
「生国」は生まれ故郷のことで「せいごく」ではなく「しょうごく」です。
寅さんの「手前、生国と発しますところ」でおなじみです。
「十指」は10本の指ですから、指で10数えることです。
つい「じゅっし」と読みがちですが「じっし」です。
「十指に余る」は数えられないほど多いこと、「十指に満たない」は7~9ぐらいのことを指します。
いや、初級からけっこう読みまちがいそうですね。