フンパンもの

なにげなく今月のカレンダーを眺めていたら、8月11日は山の日で祝日なんですね。
祝日になったのは今年からですよね。
お盆休みとかぶる感じになるのでしょうか。

こういう、海のものとも山のものともつかない祝日が増えていますね。
日給で働いている派遣の方などにとっては、必ずしも喜べるとはかぎらないと思いますが。

さて、今回は誤用の話です。
本来の辞書の意味とちがう使い方をされて、それがいつのまにか一般化してしまった言葉はいろいろあります。

たとえば「噴飯もの」。
これが出ていたのは『文化庁国語課の勘違いしやすい日本語』(幻冬舎)という本です。

この本の元となっているのは、平成7年より毎年実施している「国語に関する世論調査」ですから、これほど確かでわかりやすいものはありません。

噴飯ものの意味については、私も多くの人と同じように「けしからんもの」だと思っていました。
元の意味は全然ちがっていたんですね。

字を見れば納得できますが、噴飯とは、飯を噴くほど面白い、笑っちゃうことなのでした。
今ふうにいうと「噴いちゃう」ことですね。

誤用がここまで広まってしまったのは、噴が憤という字に似ているせいでしょうか。
「憤慨する」「義憤に駆られる」「噴飯もの」とつながってしまったのか。

フンパンという音(おん)もなんとなく、誤用を助長しそうですよね。
噴(憤=フン)にパンですものね。パンと怒りが爆発する感じです。

どうやら「噴飯もの」が本来の意味を取り戻すのはむずかしそうです。
さほど一般的ではないですが。先ほど書いた「噴く」という言葉があるので。

芸人さんが、漫才などのネタの最中に、思わず笑ってしまうことが「噴く」で、業界用語です。

本来はミスなのですが、ネタがあまりに面白いから噴いてしまう。それでつい観客もつられて笑う。ということで、いまでは笑いを取る一種のテクニックとして認められています。

『文化庁国語課の勘違いしやすい日本語』を読んでますが、へえー、とうなるような例がまだありそうです。 

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