カエルの子はカエル

「今の子どもはつめが切れない」というちょっとショックなニュースが出ていました。

データは主婦の友社の読者アンケートによるものだそうですが、対象は小学校3年生までの子を持つお母さんで、子どもができること、できないことを調査したわけです。

その結果が「つめが切れる」が32パーセント、「風呂敷が包める」が29パーセントとなっていました。

これだけを見ると、今の子どもは何もできない、ということになってしまいますが、はたして自分が小学校低学年のときに、何ができていたのかとなると、かなり記憶があやふやです。

風呂敷などは、もう使いませんからね。今は何かを入れるための袋がそのへんに余っている状況です。

意外なのは「生卵が割れる」が68パーセントと高い数字だったこと。
私など、今でも失敗することがあるので、すごいなと思いました。

さて、『日本語課外講座』から、微妙な間違いの例文です。

「父が名役者だっただけに、息子の初舞台はまさに蛙の子は蛙、確かな演技力で場内をうならせた」

これはどこが問題になるでしょうか。
やはり「蛙の子は蛙」ですね。

これは、真逆の意味です。
凡人の子はやはり凡人という意味です。身内に対して使う言葉で、他人には使えません。

では、次の例文です。
「あの温厚な社長が、こんなに激怒するとは。その君子豹変ぶりに驚いた」

これは、いまではOKということになっていますが、元の意味は異なります。
変わり身が早いことを豹変といっていますが、実はもっと深い意味があるのです。

君子と呼ばれるような超人格者は、過ちに気づくと、はっきりと改めて善に向かう。そのはっきりしたさまが豹の毛皮の斑文のようにくっきりと際立っている、という意味なのです。

それに対して、凡人は「すみませんでした。反省します」とうわべだけの態度で、中身はあまり変わらないという意味です。

ただし、本来の意味で使うと、世のほとんどの人が当てはまらないので、現在のような「変わり身の早さ」という意味になったものと思われます。

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