外国の人名をどう表記するか?
これは、なかなか結論が出ませんね。
先日も「ボッティチェリ展」でのトークイベントで、例の「開運!なんでも鑑定団」の石坂浩二さんがゲストに参加して、「ホントはボッティチェッリのほうが正しいんですよ」と薀蓄を披露していました。さすがですね。
これは、ボッティチェリでも、間違いではないし、通じると思いますから、さほど問題はありませんが、日本語の表記をそのまま発音すると、通じないのは困ります。
当コラム「カタカナ表記の問題」のところでも触れましたが、たとえば「Graham」をグラハムとローマ字読みして、そのまま表記してしまうのが、通じなくなる原因として多いのではないでしょうか。正しくはグレアムなんですね。
イギリスから日本に来て、長い間生活している、ピーター・バラカンさんの本を読むと、こういう例が出てきます。ミュージシャンで「グラハム・ナッシュ」と言われても、最初は誰のことか分からなかったそうです。彼の本にはグレアム・ナッシュと書かれています。
これと逆に、日本人の名前も、アメリカで、正しく発音されないこともあります。ゴルフの青木功氏などは、「Aoki」と書くので、「エイオキ」と呼ばれてしまったらしいです。
今のメジャーリーガーの青木氏は、先達のおかげでちゃんと呼ばれているはずです。
外国の作家名も、出版社によって微妙に違うこともあります。
また、レオナルド・ディカプリオの映画で知られる監督のマーティン・スコセッシ(Scorsese)は、以前「タクシー・ドライバー」のころはマーティン・スコシーズと表記されていました。
時代の変化で、少しずつ、原語の発音に近づいているのはよいことだと思います。