眠っている美女

昭和天皇の末弟であった、三笠宮様が逝去されました。
100歳という長寿でした。

古代オリエントの研究者という歴史学者であり、また戦争批判や、皇室の閉鎖性についても述べていた、たいへんリベラルな方でした。

紀元節の復活にも、歴史学者として反対を表明されたということですから、皇族としては異色といってよいでしょう。

髭の殿下として親しまれた、寛仁親王が大胆な言動で知られたのも当然ですね。 続きを読む 眠っている美女

重版 その3

重版を作る編集者の仕事の続きです。

前回、日付のことは書きましたが、ほかで第1刷と変わるのが、スリップです。
スリップとは、新刊書に挟んである、2つ折りの売上スリップのことです。

新刊書が1冊売れると、書店がその本に挟んであるスリップを抜きます。
売れたので、またその本を注文するときの注文カードとしても使います。 続きを読む 重版 その3

重版 その2

今回は自費出版ではなく、一般書の重版について書きます。

重版の条件とは?

これはいうまでもなく、発売後の売れ行きがよく、追加が見込まれることです。
全部売れてから、刷ったのでは、間に合わないので、見込みで判断することになります。

場合によっては、書店に並ぶ前に、重版を決定することもあります。 続きを読む 重版 その2

一丁切り替え

せっかく本ができても、誤植が見つかると、がっかりしてしまいますね。
しかし、本作りには多くの人間が関わっている以上、必ずしも完璧には行かないのもまた事実なのです。

一流とされる出版社から出ている本でも、誤植はときどき見かけます。昔と比べて明らかに増えていますね。その理由は出版点数が増えているのに、限られた時間と限られた人数で出さなければならないという事情があるからです。

特に最近増えたのは、パソコンでの入力作業上の変換ミスですね。 続きを読む 一丁切り替え

全米が泣いた!

長い間、編集の仕事をしていると、帯のキャッチコピーなどに使う言葉で、なるべく使いたくないが、つい使ってしまうような言葉があります。

これが常套句です。
タイトルにある「全米が泣いた!」はアメリカ映画の予告編によく出てくるコピーで、今ではギャグ的な褒めコピーとして、日本の同人誌などで使われています。日本なのに「全米が泣いた」というのがおかしいです。常套句を逆手に取ったうまいやり方だと思いました。

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