昭和天皇の末弟であった、三笠宮様が逝去されました。
100歳という長寿でした。
古代オリエントの研究者という歴史学者であり、また戦争批判や、皇室の閉鎖性についても述べていた、たいへんリベラルな方でした。
紀元節の復活にも、歴史学者として反対を表明されたということですから、皇族としては異色といってよいでしょう。
髭の殿下として親しまれた、寛仁親王が大胆な言動で知られたのも当然ですね。
今上天皇にとっては叔父に当たる方なので、先ごろの生前退位に対するお言葉などへの影響もあったのではと推察されます。
ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。
さて、みなさん、次のようなタイトルはどのように思われますか?
「眠っている美女」
なんとなく、妖しいムードになりますね。
では、「眠れる美女」とするとどうでしょう。
少し締まった感じになりますかね。
それを「眠れる森の美女」とすると、神秘的なテイストが加わって、タイトルらしくなります。
有名な童話のタイトルですが、英語では「スリーピング・ビューティ」で森は出てきません。
元のフランス語から訳したタイトルのようです。
「眠れる」は当然美女にかかるわけですが、「眠れる森」とも、受け取れます。
つまり言葉としては、あいまいで、よいとはいえないわけですが、タイトルとしてはそのあいまいさが、奥行きの深さを感じさせるのです。
「眠れる森の美女」はチャイコフスキーのバレエ曲としても有名ですが、ほかにもクラシックの曲名で、似たような付け方をしたものがあります。
「美しき水車小屋の娘」です。
これも、美しいのは水車小屋ではなく娘なのですが、「美しき」を最初に持ってくることによって、強調しています。
文章的には「水車小屋の美しい娘」のほうがわかりやすいのですが、タイトルとしては平板になってしまいます。
本のタイトルを考えるときは、何かバランスを崩したほうが、インパクトがあるということです。