すべからく

いつのまにか誤用が、定着してしまう言葉には、最新のものも含まれます。
一回、誤用が定着すると、まず、元に戻すのは難しいですね。

その代表的なものが「ハッカー」でしょう。

もともとは、コンピュータやネットワークについて深い知識、技術を有し、尊敬される立場にある人がハッカーと呼ばれていました。

それがいつのまにか、知識や技術を悪用して、人や社会に多大な損害を与える、犯罪者的な存在を意味するようになったのです。

現在では、明らかに悪いイメージが先行しているので、ハッカーと言われても、あまり喜ばれそうもありません。それゆえ、ますます本来の意味では、使われにくくなっています。

あっという間に、言葉の意味は定着してしまうから怖いですね。

さて、ここからは、昔からよくある、誤用されやすい言葉をひとつだけ取り上げてみます。

「すべからく」です。

これは、最初の「すべ」という言葉がいけませんね。どうしても「すべて」を連想してしまい、頭にそちらのイメージが浮かんでしまいます。

「すべからく」とは、「当然~」という意味で、そのあとは「~べし」で終わることになっています。

「すべからく、代表選手は君が代を斉唱すべし」という感じですかね。

「すべて」という意味で使っても、まったく通じないわけではないところが、誤用として微妙ですね。
あんまり「誤用感」がないというか、長年、意味をカン違いしていたショックの度は小さいかもしれません。

こうした誤用はまだまだ豊富に? あります。これからも、ときどきネタとして取り上げていくつもりですので、よろしく。

印鑑のまちがい

前回、紹介した梶原しげるさんの『不適切な日本語』(新潮新書)を読了。
いや、面白かったです。

しゃべりのプロなので、内容はアクセントなど、しゃべり言葉に関するものが中心になっています。スタンダードとして、NHKがよく出てきたような気がします。

それにしても、辞書の読み比べの楽しさを語るなど、この著者の探究心は半端じゃありません。
梶原さんに言わせると、国語辞典は一家に一冊、ではなくて、何冊かを読み比べなきゃダメだそうです。 続きを読む 印鑑のまちがい

入籍という言葉

フリーアナウンサー梶原しげるさんが書かれた『不適切な日本語』(新潮新書)を、読み始めたところですが、なかなか面白そうです。

以前、この方の『すべらない敬語』(新潮新書)を週刊誌の書評で取り上げたことがありましたが、言葉へのこだわりに、尋常ならざるものを感じて、敬服したものでした。

冒頭に、「私たち入籍しました」がおかしい、という内容のコラムがあったので、読んでみると、なるほど、私も気づきませんでした。 続きを読む 入籍という言葉