毎日、いろいろなニュースが次々と報じられ、目まぐるしいですが、近頃、こんな記事を見つけました。
“「フランク三浦」勝訴 パロディーの線引きは?”
ご存知の方もいるかと思いますが、大阪市の時計メーカーが、「フランク三浦」という名前を商品登録した件を巡る裁判で、本家「フランク・ミューラー」に勝ったという内容です。
まず、パロディーということですが、私はこの商品はパロディーではないと思います。
パロディーというのは、本家に対する、何らかの批判、風刺が込められているものだからです。これはただの思いつきとしか思えません。
今回、裁判所(「知財高裁」)が認めたのは、「フランク三浦」と明らかに日本語で書かれ、値段も安い(5000円ぐらい?)なので高級腕時計と混同するとは考えられない。という判断からでした。
これは、大きな間違いだと思います。眼で見れば、たしかに「フランク三浦」ですが、電話など、耳だけで伝える場合は、「フランクミウラ」と「フランク・ミューラー」は混同しがちでしょう。
本のペンネームでも、字が違えばいいだろうと考える人が、たまに出ることがありますが、音(おん)が同じものはアウトとされています。
たとえばある人が「無乱神貼鍵」(ムランカミハルキー)というペンネームを使って、「神作」という小説を出したとしたら、「村上春樹の新作はありますか?」という問い合わせが多くなって、取次会社や書店にとっては大迷惑になると考えられます。
ところで、今回の「フランク三浦」騒動、商標は認められたようですが、デザイン問題はどうなるのでしょうか? 写真を見る限り、文字盤の数字のデザインは明らかに本家のものをいただいています。もしデザイン盗用で訴えられたら、はたして勝てるのでしょうか? 相手はスイスの有名ブランドなので国際問題に発展しなければよいのですが。