賞レース

本の完成後、著者の方に、「これはNHKでドラマにならんかね?」とか、「どうすれば芥川賞が取れますか?」などと、聞かれることがたまにあります。

実際のところ、ちょっと難しいとは思いますが、それなりの説明はするようにしています。

まず、芥川賞や直木賞は、応募制ではないので、こちらから応募することはできません。向こうの目にとまるのを待つしかありません。

また、ドラマの原作も、そのほとんどが、制作側からのアプローチによるものです。
ですので、これはもう、書店で誰かが見つけるとかの、偶然がきっかけだと思います。

私が編集した本では、例はありませんが、同じ職場の編集者が担当した本で、ドラマ化されたものを何冊か目にしました。そのすべてがこちらから売り込んだものではなく、本の内容が向こうの求めているものに合致したので選ばれたものばかりです。

たとえば、「24時間テレビ」であれば、難病に立ち向かわれる方やその家族の闘病記などが、何冊か選ばれたりしました。やはり内容ありきですね。
ですので、ドラマ化の夢は、ただ、待つしかありません。

一方の小説、エッセイ、絵本などの文学関係の賞ですが、応募するのであれば、著者の方がご自由にどうぞ、としかいいようがありません。

ただ、公募している賞は、未発表の作品を対象とする規定があることが多いので、応募先も限られます。地方の自治体が主催している文学関係の賞(特に絵本)などには、刊行後のものを対象としているものもあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

エッセイでは、日本エッセイスト・クラブ賞が年間に刊行した本を対象としています。原則は会員、または出版社の推薦があるものとされていますが、著者が直接応募しても可となっています。

毎年3月末までの作品が対象なので、今年はもう終わってしまいました。
出版社経由で応募したい場合は、ご自分の本を2冊、出版社に送って、編集者に頼んでみる手もあります。親切な編集者であれば、手配してくれるかもしれません。ただし、あくまでも相手の好意次第なので、断られてもしかたないという覚悟が必要でしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です