使い分けの話が多いですが、外来語にも使い分けが必要になるケースがあります。
それは、発音は同じで意味が違う言葉があるからです。その混同を避けるために、表記を変えているのです。
たとえば「ボーリング」と「ボウリング」。厳密には違うものを指します。
ボーリング(boring)は、地質調査などにおける掘削の意味で、われわれが遊ぶ、ボールでピンを倒す競技はボウリング(bowling)です。
前後の文脈などもあるので、両者を取り違えることは稀ですが、万が一ということもあるので、文章上は区別したほうが安心です。
だからといって、日常の会話で「ねえ、ボ“ウ”リング行かない?」と「ウ」をはっきり言う人はいませんが。
あくまでも文章での表記の問題として捉えていただければと思います。
同じような言葉では、「バレエ」と「バレー」があります。
踊る、芸術のほうがバレエ(ballet)で、スポーツのバレーは、バレーボール(vollyball)の略です。
これも、発音は同じなので、表記上の区別になります。
ほかにも誤用になりやすい言葉として、キャンパスと、キャンバスがあります。大学などの構内がキャンパス(campus)、絵を描くときに使うのがキャンバス(canvas)です。絵のほうはカンバスと覚えておけば、混同しにくくなるかもしれません。
また、パーカーとパーカもあります。シャツの上に羽織るもの、あれ、本来はパーカ(parka)でした。パーカー(parker)というと、万年筆を指すからです。
でも、わたしなどは、着るものを「パーカー」とずっと言っていたような気がします。ヨットパーカーとかね。
昔は入学祝というと、パーカーの万年筆が定番で、認知度も高かったので、着るもののほうがパーカとなっていたのかもしれません。言葉は時代で動くことがわかります。