宅急便と宅配便

オリンピック熱がすごいですね。
そのせいで、イチローの偉大な記録達成が、あまり目立たなかったのは気の毒でした。

オリンピックといえば、柔道を見る目が少し変わりましたね。
以前は金でないと、意気消沈という感じでしたが、今回は銅メダルでも、祝福というムードの報じ方でした。

銅でも、奥さんが喜んでくれれば、それでいいじゃないかというのは、正常な感覚だと思います。見ててほっとします。

さて、原稿の書き方ですが、物の名称を書くときには、基本的には一般名称を書くようにします。
でも、それがあまりにも有名なものだと、うっかり商品名、商標名を書いてしまうことがあります。

たとえば、多くの方の原稿でよく見かけるのが「宅急便」です。

宅急便はクロネコヤマト(ヤマト運輸)の商標です。
ですので、宅配便と言い換えたほうがよいでしょう。

まず、問題が起きることはないですが、知らないで使うと「佐川の宅急便が」とか「宅急便のお兄ちゃんにぶつかりそうになった」とか、不要なことを書くことになります。

ほかにも、つい使ってしまいがちな商標はけっこうあります。

カップヌードル、セロテープなどです。
これはカップ麺、セロハンテープとそれぞれ言い換えます。

あと、意外なものも商標登録されています。
エレクトーンなんてのもそうですね。これは電子オルガンと言い換えれば大丈夫です。

こうした登録商標とその言い換え例は『記者ハンドブック 新聞用字用語集』(共同通信社)
に出ています。

これを見ると、ダスキンの言い換えは化学雑巾になっていますね。
自費出版などの著者はそれほど神経質になる必要はありませんが、ネガティブな記述のときは、まかりまちがえば名誉毀損にもつながりますので、いちおうチェックしておくに越したことはありません。

商品名を出して「おいしくなかった」「すぐこわれた」「けがをした」などと書くのは、なるべくなら避けたほうがよいと思います。

といっても、以上の点は原稿を書くときに、注意することではありません。
そんなことに気を配りながらでは、まともな原稿を書くことなど不可能に近いです。

書いたあと、見直すときに、チェックすればよいのです。
もちろん、われわれ編集者も付いていますので、安心してください。

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