おや、白いものが

本日早朝の地震にはびっくりしましたね。
寝ているときの地震は揺れをダイレクトに感じるので、いやーな気分にあります。

幸いなことに、今回は甚大な被害はなかったようなので、まずはひと安心でした。
ただし、今後一週間の間に同規模の揺れの可能性があるということなので、油断はできません。

驚いたのは、今回の地震は5年前の東日本大震災の余震と考えられるという報道でした。
自然のサイクルは人間が考えている5年、10年とはまったく別の次元で動いているということなのでしょう。

今回、津波はたいしたことはなかったようですが、それでも濁った水が川を上流に向かってうねるように進む映像がありました。

見ていて、ぞっとしましたね。
自然は侮れません。

災害時用の水や、食料品が我が家にもありますが、そろそろ賞味期限を迎えるころです。
たぶん東日本大震災のときに購入したのでしょう。

とりあえず、備えだけはしておきたいものですね。

さて、『なにげにてごわい日本語』から今回は提喩です。
提喩とは、前回の換喩と同様に比喩の一種です。

提喩は、ぼやけた比喩、婉曲な言い回しともいえます。
エチケットというか、やさしさというか、そんな表現で、みなさん、日常生活でよく使っています。

たとえば、寒いときに「やけに冷える寒いと思ったら、ほら、空から白いものが」などと言いますが、この「白いもの」が「雪」の提喩になります。

そのほうが多少、風情というか雰囲気が出ます。

「そういえば、あの人の髪の毛に白いものがちらほら」
という場合は、白髪とはっきり言う代わりにやさしくぼかす効果があります。

また、「お金」とはっきり言いにくいので「志」「寸志」などとするのも、提喩です。
もう、マナーみたいなものです。

そのときに「志(こころざし)って?」などと通じないのは困るので、その辺がおたがい常識として備わっていることが前提になります。

あとは、直接名前を言うのも、角が立つので、
「今日の会食は何を食べるの?」
「誰かさんが、どうしても肉を食べたいというので今日はステーキです」
などと使います。

人間関係を円滑にする、非常に日本的なレトリックが提喩なのです。

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