春樹を読む

昨日、ちょっとびっくりしたニュースがありました。
秋篠宮妃紀子さまや長男悠仁さまたちが乗ったワゴン車が追突事故を起こしたというのです。

何でも悠仁さまが友人と登山に行かれる途中だったとか。
幸いなことに怪我もなく、ほかの車に乗り換えて予定通り登山されたそうですが、ドキッとしますよねえ。

皇位継承者第3位の方ですから、警護がしっかりあるかと思いきや、後ろに警察車両が1台付いていただけだそうです。

これもどうかと思います。せめて、前後ぐらいは固めてほしいですね。
両陛下をはじめ皇族方は、ほかの車に迷惑がかからないことを望まれているので、両陛下と皇太子家以外はこんな感じだそうです。

そうした姿勢はなかなか好感が持てますね。

私は、ダイアナ妃が自ら車を運転して、2人の王子の送り迎えをしているシーンを見て「かっこいい」と思ったクチなので、皇族のあり方としては正しいとは思うのですが、危機管理も無視できません。

運転していたのは、宮内庁の男性職員らしいですが、「気づくのが遅れた」と弁明。
ここはプロじゃないとダメでしょ。
宮内庁の危機管理能力は低いレベルにあるとしか思えません。

さて、『なにげにてごわい日本語』から、今回は換喩についてです。

換喩とはなにか?
あまり聞いたことのない言葉ですよね。

比喩の一種というとわかると思います。

比喩でいちばん使うのが隠喩(メタファー)ですね。
隠喩とは女性であれば天使、女神などに喩えるあれです。

対象となる人や物を違うものに喩えるのが隠喩だとすると、換喩とは省略のようなものです。

「いま、村上春樹を読んでるんだ」
「いいね、俺も春樹、好きだよ」

これは、村上春樹(の小説)、春樹(の作品)のことですよね。
それぞれ後半の説明的な部分を略しています。

この換喩は作者と作品の関係のパターンです。

ほかのパターンとしては、
「どんぶり(のごはん)をかっ食らった」(容器と内容物の関係)

「茶髪(の人)は採用していません」(部分と全体の関係)

「今日のあのバンドはドラムス(のパフォーマンス)がよかった」(使用される物と使用者の関係)

「それが霞ヶ関(の官僚)のやり方」(地域とそこにある機関の関係)
などあります。

理論立てて考えるとややこしいですが、皆さん、ふだん使っているようなものばかりですね。

省けるものは省いて、強調するというのが換喩の役割です。
「黒澤明(の映画)が見たくなった」
と言ったほうが、なんとなく様になる感じがしませんか。
うまく使えば、の話ですが。

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