「この話したっけ」
「これ話したっけ」
さて、この2つのちがいはなんでしょう?
送りがなのあるなし、ですね。
上は「この話(はなし)したっけ」
下は「これ話(はな)したっけ」
名詞の「話」と動詞の「話し」の違いです。
「昨日、先生がお話しされた」
「昨日の先生のお話は」
というふうに使います。
「昨日の先生のお話しは、とてもよかったです」と書くのは、許容したくなりますが、厳密には誤用といえます。
このように、名詞として使うのか、動詞として使うのか、によって、送りがなが付いたり、付かなかったりします。
「話」と「話す」の例はどちらも日常的に使うので、まあまあ理解しやすいかと思いますが、微妙なのが「隣」(となり)です。
基本的には「隣の席」「両隣」と送りがなを付けずに、名詞として使います。
ですので「お隣りさん」という使い方は誤用と憶えておけばよいでしょう。
ただし「隣合わせになりましたね」となると、これがアウトなのです。
「隣り合う」「隣り合わせ」と「り」を送ってください。
なぜなら、実は「隣る」という動詞があるからです。まず、使わないですよね。
ですので、送りがなを付けるのは「隣り合う」「隣り合わせ」という使い方の場合のみ、といってよいでしょう。
ということで、みなさん、できれば、「隣近所」と「隣り合わせ」を正しく使い分けてください。日本語って難しいですね。