今月14日、埼玉県のJR蕨(わらび)駅で、目の不自由な男性がホームから転落し、列車と接触して亡くなるという痛ましい事故がありました。
男性は盲導犬を連れていたということです。
この事件を受けて、日本盲人会連合の会員が事故現場を視察し「周囲の声かけが必要」と訴えました。
国や鉄道会社も視覚障害者への「声かけ」の強化を始めているようですが、やはり駅員だけでは無理があります。
それと盲導犬がいるから安心というのは、あまりあてにならないそうです。
盲導犬も頑張ってくれていますが限度があるのです。
今回、亡くなった方は63歳で、駅の通行には慣れていたようですが、
「使い慣れた駅でも、考え事をした瞬間、危険な状況になることがある」とのこと。
健常者には想像もつかない事態が起こると考えたほうがよさそうです。
国交省は全国の鉄道会社に「駅員による声かけ」を徹底するように求めたとのことですが、国交省職員をはじめとして、乗客が協力するようにアナウンスしないとダメでしょう。
さて『日本語150の秘密』から、今回は「川」と「河」についてです。
「川」と「河」、あと「江」というのもありますが、どのように使い分ければよいのでしょうか。
これらの語源はすべて中国にあります。
昔の中国では「河」といえば「黄河」のことを指しました。
それから中国一の大河は「揚子江」ですが、別名「長江」とも言います。
長江とは長い川という意味です。
そして「河」「江」よりも小さいものを「川」と呼んでいました。
つまり、日本にある川は、すべて「~川」でよいということになります。
日本に黄河や揚子江クラスのものはありませんので。
「大河ドラマ」や「河口」などの熟語はありますが、それ以外は「河」はあまり使いません。
海外の紀行文で雄大な流れを表すのに「ミシシッピ河」「ドナウ河」などを使いたくなりますが、結局ほかのところで「ミシシッピ川」「ドナウ川」と書いてしまい混用しがちです。
「川」で統一したほうがよいと思います。