先週末に墓参りに行き、帰りに新宿で韓国映画『密偵』を見てきました。
日本が統治していた時代を舞台にしたサスペンス映画ですが、韓国で大ヒットしたのは反日映画の要素もあるからでしょう。
主演はソン・ガンホで、まあ実力どおりというか、貫禄ですね。
安心できるうまさです。
もう一人はとんでもない傑作『釜山行き』(日本では『新感染』というえぐいタイトルで公開)にも出ていたコン・ユで、改めてすばらしい俳優だとわかりました。
この人は見た目もかっこいいので、非の打ち所がないですね。
ラストは『第三の男』や『ゴッドファーザー』へのオマージュも感じさせる、なかなかの作品でした。
さて、『日本語のしくみ』(山田敏弘 白水社)という本があります。
著者は言語学者で岐阜大教授です。
ここから、面白そうな話を拾ってみます。
まずは日本語の発音のしくみから。
昔はハ行の発音、たとえば「ハハ」を「ファファ」と言っていたって知ってました?
なぜわかったかというと、五十音図の順番が関係してきます。
五十音図の基本は室町時代に仏教の経典とセットでインドから中国経由で日本に入ったといわれています。
「アカサタナハマ(ヤラワ)」の順番は、口の中で閉じたり狭めたりする位置の順なのです。
イメージで言えば奥からどんどん前に行って、マ行で唇という感じですかね。
ア行は口を開いたままで、カ行はのどの奥、そこから舌先と歯茎でサ行、タ行、ナ行ときて、ハ行が飛んでマ行が唇ですから、ハ行が本来ファ行だとすると順番どおりになります。
室町時代は「ファフィフフェフォ」と言っていたのではないでしょうか。
それがあまりに言いづらいので「ハヒフヘホ」になったと考えられます。