以前、文科省の新学習指導要領により。歴史表記が変わることを書きましたが、また元に戻すようですね。
「聖徳太子」が「厩戸王(うまやどのおう)」になる。
「元寇」が「モンゴルの襲来」になる。
「鎖国」が「幕府の対外政策」になる。
というのが改訂案の主な部分だったのですが、保守系団体の猛反対にあって、すべて元に戻すという異例の事態になったようです。
かなりのぶれ方ですね。
なぜ「聖徳太子」を変えたかというと、「聖徳太子」という名称は、死後100年経てから見られるようになったものと判明したので、「厩戸王」のほうが正しいのではという歴史研究の結果からだったのです。
なのに、それを貫くだけの信念は文科省にはないようです。
さて『金田一先生から教わった敬語のこころ』から今回は「改まり語」です。
「改まり語」とは「荘重語」とも言われています。
文法的には謙譲語になりますが「改まった言いまわし」として区別しておいたほうが役に立ちます。
ひとことでいうと「それらしくなる」ことばです。
たとえば「今日(きょう)」は「今日(こんにち)」とすると改まります。
「今日(こんにち)」は「今」を表します。
今日当日を表す改まり語は「本日(ほんじつ)」になります。
うっかり「本日(ほんにち)」などと言わないように気をつけたいものです。
同様に「明日(あす)」が「明日(みょうにち)」
「明後日(あさって)」が「明後日(みょうごにち)」となります。
「この間」は「先日・先般」
「あとで」は「のちほど」
と、使えばどんどん荘重な感じになるわけです。