「より」と「から」

東急電鉄の「車内で化粧はみっともない」という啓発広告が賛否両論を呼んでいるようです。 まあ、どうなんでしょう。 そんなに見かけることはないですけどね。 恐らくですが、朝寝坊をして、時間がないのでそのまま外出して車内でというケースが多いのだと思います。 その場合、朝の通勤時間の可能性が高いですよね。 込んでいるので、どうしてもイメージが悪くなります。 実際、言い争っているシーンを見たことがあります。 女性が降りぎわに明るくアカンベーをしていました。 遭遇率でいえば、飲食のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。 これは時間を問わないですからね。 それより私は、エスカレーターの片側空けによる渋滞のほうが問題だと思います。 あれは、鉄道駅の朝の7時から9時までのみ、というルールを作ってほしいです。 通勤・通学で急いでいるという以外に、空ける理由が見当たりません。 休日などに渋滞していると、普通に2列で乗ればなんてことはないのになあと思います。 デパートなどにいたっては何をかいわんやです。 さて、今回は助詞の「より」と「から」についてです。 ザキヤマさんのギャグに「から~の~」というのがありますが、「から」の使い方はシンプルです。 ものごとの起点として使います。 いっぽうの「より」はちょっとややこしくなる言葉です。 たとえば、不動産の広告案内の場合。 「メゾン・ド・AよりカーサBがよく見えます」 というやりとりだと解釈がぶれる可能性が出てきます。 Aの屋上に上がると、Bがよく見えるという景色のことなのか。 Aの部屋より、Bの部屋のほうが不動産として優れているという意味なのか。 そのあたりが、あいまいだと、あとで言った言わないのトラブルに発展する可能性もあります。 また「より」には「寄り」という意味もあります。 「新宿より徒歩8分」という広告の場合、「新宿寄り」(新宿に近い)のところだと解釈される可能性もあります。 このように、助詞の「より」を使うときは注意が必要になります。 「会議は7時より9時で」(起点。7時から9時までという意味) 「会議は7時より9時で」(比較。7時は忙しいので、9時でという意味) とややこしくなるのを避けるために、起点としての「より」を使わないというのがこの2つの助詞の常識です。 これからは「より」は比較一本で、起点はすべて「から」にしましょう。 「~寄り」も「~近く」にすれば、無用な混乱は生じません。 このように、わかりやすさを心がければ、文章がよりスッキリするはずです。

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