しばらくサボっているうちにすっかり秋になっていました。
お彼岸に墓参りに行って、その帰りに映画を見たのですが、コレがすごかったです。
公開から3週間ぐらい経っているので、ご覧になった方もいると思いますが、韓国映画の「新感染 ファイナル・エクスプレス」(ヨン・サンホ監督)です。
原題は「釜山行き」と地味ですが、とんでもない邦題になっています。
内容はジャンルで言えば、ゾンビ映画、パニック映画です。
だいたいこういうものはB級と決まっていますが、これは超A級のノンストップ・エンターテインメントです。
あれよあれよという間にラストシーンを迎えますが、いろいろ伏線が張られていて、「なるほど、そうだったのか、それだったのか」と感心しました。
主役のコン・ユもいいですが、娘役のキム・スアンが素晴らしいです。
ゾンビだらけの映画なのに、「家族愛」「生きるとは何か」をみごとに描いて、観客を感動させるのだからたいしたものです。
韓国映画の底力を感じました。
さて、今回は「伺います」と「参ります」の使い分けについてです。
「お宅に伺います」「お宅に参ります」どちらを使えばよいのでしょうか。
テキストは『問題な日本語 その4』(北原保雄 編著 大修館書店)です。
「伺う」「参る」は以前は両方とも謙譲語でしたが、現在は謙譲語がさらに分かれていて「参る」は丁重語(謙譲語Ⅱ)とされています。
丁重語には「参る・申す」「いたす・おる」「拙著・弊社」などがあり、自分の行為を聞き手・読み手に対して丁重に述べるときに使います。
それに対して謙譲語の「伺う」は訪問先の方に対する敬意を表し、聞き手・読み手に対する敬意ではありません。
ですので、聞き手が友達の場合には「これから先生のところに伺うよ」という言い方もできます。
逆に「これから、先生のところに参るよ」とは言わないことになります。
先生本人に対して言う場合は「明日お宅に伺います」のほうが、より敬意が強い言い方になるので、「伺う」を使います。
ほかの方に言う場合は「これから先生のところに参ります」と丁重語を使うのがベストでしょう。