おいしいお米というと、「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」ぐらいしか思いつかないですが、ほかにもたくさんあるんですね。
先ごろ、コメの味を格付けしている日本穀物検定協会が発表した2016年度産米のランキングによると、最高ランクの特Aは44銘柄(21品種)もあります。
これでも去年より2つ減ったそうですが、産地の30道府県は過去最多です。
検定には東京・大阪・沖縄を除く44道府県がエントリーしていますが、意外なのは神奈川県の「はるみ」というのが今回初めて入ったことです。
神奈川産のお米が最高ランクってちょっとびっくりです。
それにしても、44もあると、正直どれがよいのかはわかりませんね。
コシヒカリだけで8銘柄(新潟など8県)ありますが、味はどう違うのでしょう。
コシヒカリは新潟のものと思っていましたが、そんなに広がっていたんですね。
迷います。
ネーミングも全国似たようなやさしいものが多いです。
その中で青森の「青天の霹靂(へきれき)」が唯一光ってますね。
インパクトがあります。
お米好きであれば、食べ比べるのも一興かと思います。
ちなみに我が家のお米は、いま台所でごそごそと確認したところ、新潟のコシヒカリでした。
さて『誤植読本』から、夏目漱石の話です。
これを書いているのは西島九州男で、この人は岩波書店に漱石全集の校正者として入ったというプロフェッショナルです。
読んでみると漱石のすごさがわかります。
漱石はあて字の名人といわれるくらい、あて字が多いのですが、もうそれが漱石語になっているのです。
それから東京弁の訛りもあります。
癖がすごいんです。
たとえば「お汁粉」に「おしろこ」とルビが振ってあったので、弟子が「先生、どう考えても〈おしるこ〉ですよ」と言ったところ「君は田舎者だからわからないが、汁粉は〈しるこ〉だが、〈お〉がつくと〈おしろこ〉というんだよ」と答えたとか。
あて字も「ひどい」を「非道い」、「かよわい」が「蚊弱い」、「ぬかるみ」は「泥海」とこれまた自由にやってます。
ほかにも「迷子(まご)つく」「苦だらない」など。
漱石となるとさすがに、校正者では直せません。
天才に辞書は敵わないということです。