固有名詞

「今日は、いい天気だね。そこで流れるさわやかな曲」

このような会話文の最後に、通常、句点「。」は付きません。
昔は付いていたようで、現在でも高齢の方の原稿では、最後の「。」を見かけることがあります。また、今でも児童ものでは付けることがあります。

ただし、次のような場合は付けざるを得ません。

「今日はいい天気だね。そこで流れるモーニング娘。」

「モーニング娘。」は固有名詞なので、勝手に「。」を取るわけにはいかないのです。

このような固有名詞はほかにも、社名、人名などいろいろあります。
カメラ会社の「キヤノン」もそうです。読み方はもちろん、キャノンです。創業当時は促拗音(キャ、キュ、キョなど)を表す小文字がなく、大文字で表していたのがそのままになったと思われます。

人名では、たとえばマンガ家の山岸凉子の「凉」はサンズイの「涼」ではなく、ニスイです。

固有名詞はできるだけそのまま表記するのが望ましいですが、異体字、旧字などで、簡単に使えないものもあります。特にパソコン上の文章はそうです。新聞など一般に広く読まれるものでも、余りむずかしい字を使っても、かえって読みづらくなるので不便です。

そのあたりは各出版社で決まりごとにしたがっているようです。
単行本などで、そういうやっかいな字が出てきた場合は、いろいろなパーツを組み合わせて字を作ります。作字すればたいていのものは使えます。

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