灯台下暗しとは

最近、天候も変ですが、私の地元では風変わりな事件が起きています。

 

近くに流れている川の川っぷちに新生児が捨てられていて、無事保護されたことは先日書きましたが、今度は駅前のスーパーが舞台です。

 

先週、そのスーパーで、若い男が買い物をしている主婦から1万円を奪い、抵抗されて刃物で切りつけるという事件が発生しました。

 

犯人は近所に住む大学生で、まもなく捕まったのです。

これだけなら、まあ物騒とはいえ、そんなに珍しくはないと思います。

 

珍しいのはその通報のされ方です。

なんと偶然、大学生の両親も同じスーパーで買い物をしていて息子の犯行にでくわしたのです。

 

さぞやびっくりしたことでしょう。

家に帰ると、息子が刃物を持っていたので、「どうもウチの息子のようだ」と親が通報したということです。

 

親不孝ここに極まれりという感じですね。

 

 

さて、今回も慣用句の誤用についてです。

誤用というよりは、誤解です。

 

「灯台下暗し」ということわざがあります。

 

この意味は、「よく見えるはずの手元、自分に近いところに案外気づかないことがある」で、そこは皆さん間違えることはないと思います。

 

ただし、そのイメージは、夜の海を照らす灯台から光がパーッと出ていて、その手元が暗いという絵が浮かんでいませんか?

 

それがちょっと違うのです。

「灯台下暗し」の灯台とは、あの灯台ではなく、昔、部屋の中で使われた燭台のことなのです。

 

だから、めったにないことですが、海の灯台の近くでこけて、「やあ、これがホントの灯台下暗しだわなあ」というと、まちがいになるということです。

 

ちなみに、私などは、このことわざを耳で聞いて、勝手に「灯台元暮らし」と考えて、灯台の下で、灯台守の一家が厳しい自然と闘いながら、つましい生活をしていると想像していたものです。

 

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