天下の宝刀

間違って覚えてしまった慣用句、ことわざは、まだまだあります。

タイトルの「天下の宝刀を抜く」ですが。
これは、正しくは「伝家の宝刀を抜く」です。
家に代々伝わる宝刀の意味です。デンカをついテンカと誤って覚えがちです。

ほかでは「おっとり刀で~」という慣用句がありますが、これも「おっとり」という言葉を、「のんびり」という意味に捉えてしまい「おっとり刀で、余裕で来る」などと誤用しがちです。

この「おっとり刀」とは、「押っ取り刀」であり、現在使われている「おっとり」という言葉とはなんの関係もないのです。

刀を差すひまもなく、手に取ったまま、やってくるので、危急という状況を表しています。
ですので「おっとり刀で駆けつける」としか使いません。意味が真逆になってしまうのでは困りますね。

「伝家の宝刀」と「おっとり刀」。二つとも刀に関する慣用句です。
日本刀は、現在では、ほとんどの人にとって無縁ですが、こうして言葉として、残っていることが不思議です。

「急場しのぎ」という言葉がありますが、これも、元はといえば、戦いの時に、刃こぼれをしのぐ意の、「急刃しのぎ」から来ているとのことです。

また「折り紙付き」という言葉は「その価値には間違いがない」という意味ですが、今は「折り紙」というと、オバマ大統領も折った、あの折り鶴のようなものを指します。

「折り紙付き」の折り紙とは、昔、刀などに添えられた、鑑定書を指したものです。つまりは保証書つきということです。
刀はまだ生きているのです。

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