番外編として五輪エンブレムを取り上げます。25日に決定なので、書くなら今しかないので。ただし、あくまで私の独断と偏見による意見だということをお断りしておきます。
最終候補として発表されたA~Dは、すでにデザインの専門家たちが厳しい評価を下していますが、私も一目見てあれ? という感じです。この種のデザインは大胆かつシンプルでなければなりません。本のカバーデザインも然りです。候補の4案は大胆でもシンプルでもありません。デザインはイラストではないのです。
候補のC案とD案はイラストになっちゃってますね。特に朝顔はそのまんまです。イラストにコンセプトを文章で加えています。文章で説明するデザインというものはありえません。「みんなで公平に選ぶ」やり方だと、こうした平凡なものしか生まれないということの証明ですね。
予想としては、本命がA案、対抗がC案というところでしょうか。A案はシンプルさはありますが、一抹(市松?)の寂しさは隠せません。地味ですね。C案は平凡ですが、万人向けの明るさと分かりやすさがあります。B案は「輪」だそうですが、指輪にしか見えません。
いずれにしろコンセプトを文章で添えちゃいけませんね。本のカバーデザインも、まったく同じです。書店でぱっと見て、インパクトがあるから初めて手にとってもらえるわけで、コンセプトを文書で添えても誰も見てくれません。「そんなこと知らんがな」という感じです。
大胆でシンプル。カバーデザインも、エンブレムもこれに尽きます。
ということは、われわれ素人がごちゃごちゃ口を出すよりデザイナーが自由勝手気ままにやるのがいちばんということです。デザインを選ぶのではなく、デザイナーを選べばよかったのです。
本のカバーデザインについて、著者の方から、「こんな感じでやってほしい」というラフデザインをいただくことがあります。タイトルロゴ、色などを切り張りして自分で手作りしたものや、パソコンで作ったものもあります。見ると、それなりに苦労のあとが窺えます。
こういうケースでは、デザイナーさんにそのラフ案を渡して、ほぼその通りに仕上げてもらってA案とします。そしてもうひとつのB案はデザイナーさんに自由に作ってもらいます。
今まで数多くそういう例がありましたが、著者の方が選ぶのはほぼ100パーセントB案でした。デザインとはそういうものなのです。