新聞は現代の美文

今朝テレビで、タオルの活用法についてやっていました。

 

内容はタオルについた臭いをどう防ぐかとかですが、その中で災害時のタオルの使い方について、なるほどと思うことがありました。

 

「幸せの黄色いハンカチ」ではないですが、各戸の前にタオルを結んでおくと「ウチは無事です」というサインになるそうです。

 

そうしておけば救助に回る人たちの手間が省けて、緊急を要する被災者への対応が迅速になります。

 

これは、多くの人に知っておいてほしいと思いましたね。

 

 

さて『論文の書き方』(清水幾太郎)から「知的散文」の書き方です。

 

「すべての芸術は模倣から始まる」といわれますが、この本にも「誰かの真似をしよう」とあります。

 

「……恰(あたか)もよし、轟々(ごうごう)、黒煙を吐いて来れる上り列車に投じて東京へ向ひぬ」

 

これは清水が小学校5年生のとき、高尾山に遠足に行った際に書いた文章です。

すごいですよね。

 

本人も「清水少年の美文」と書いていますが、自慢しているわけではなく、何かの本で読んだのをアレンジして書いたので、後々までずっと覚えていたというのです。

 

「恰もよし」というのは、「ちょうどいいところに」という意味で、実際にそんなうまい具合に電車が来たかどうかは定かではないようです。

もうそのことばを使いたいがために書いたのだと思います。

 

このように大家の文章を真似することが役立つわけですが、新聞のスタイルは真似してはいけないともいっています。

 

「新聞の文章は現代の美文である」とも書いています。

つまり、差しさわりのない、玉虫色の文章だからです。

 

でも、今は時代が違います。

ネット上では、差しさわりがあると、すぐに誤解を生み、炎上したりします。

 

逆に今日では、新聞の文章を真似て、それにちょっとだけ、差しさわりのない程度に自分の意見をトッピングすると、いい文章になるのかもしれません。

 

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