ついていい嘘

東京五輪の追加種目が先週決まりましたね。

 

男女混合や若者向けのスポーツなど、五輪のエンターテインメント化が露骨に表れています。

 

混合の主な種目は柔道の混合団体、水泳の混合400mメドレーリレー、卓球の混合ダブルスなどです。

 

卓球は、先の世界選手権で日本ペアが優勝したので有望ですが、そのときは五輪種目ではなかったので、中国の強いペアが出ていませんでした。

 

東京では当然中国勢が出てくるでしょうから、そう簡単に金メダルというわけにはいかないでしょう。

 

あと、バスケットも3人制が決まっています。

サーフィンなどもすでにありますから、若者へのアピールがすごすぎます。

 

純粋なスポーツファンにとっては、こんなんでいいんだろうかと思ってしまいます。

 

 

さて、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』から、「嘘」についてです。

 

「エピメニデスの逆説」というのが出てきますが、みなさんご存じでしょうか。

 

「私は嘘つきです」

 

自分でこう言う人は、嘘つきか、嘘つきでないか。

 

嘘つきだとすると、「私は嘘つきです」も嘘なので、正直者ということになる。

でも、正直者なら、このことばも正しいので、やっぱり嘘つきです。

この繰り返しで、永遠に答えが出ません。

 

また、コミュニケーションを取りやすくするための「嘘」もあります。

世の常識化しているものです。

 

たとえば「毎日元気に学校に行く」は実際には、週5日行って土日は休んでいるので正確ではありません。

 

でも、「月~金と毎日学校に行ってエライね」とは言いません。

ケンカになります。

 

「陽が沈む」も、科学的には、「地球が自転していて、太陽が見えなくなる」わけですが、そんなことを言えば、屁理屈になります。嫌われます。

 

こうした嘘を少しずつ広げていけば、やがて、コミュニケーションのグレーゾーンに達するのかもしれません。

 

「小さな嘘が重なって」その先どうなるのかは、誰もわかりません。

 

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