「まで」はあいまいなことば

台風10号が東北地方に上陸して甚大な被害をもたらしました。

驚いたのは、東北に台風が上陸するのは今回が初ということ。
室戸台風、伊勢湾台風など、これまでの大きな台風は大体西のほうですが、まさか東北上陸は1回もないとは思いませんでした。

この異常気象ですから、想定外のことが起こっても何の不思議もないということですね。

進路も太平洋上をぐるっと一周したりして、そのぶん成長し、脅威でした。
北海道にも爪あとを残したようですし、これ以上被害が広がらないことを祈りばかりです。

さて、以前、紹介した『NHK気になることば』(東京書籍)から「まで」の使い方
について取り上げてみます。

私も「~まで」については、ある種の疑問を持っていました。

以前、働いていた会社で、休暇を取るときに、自分のデスクにある電話に不在メッセージを表示させることができるのですが、たとえば「9月7日まで不在」と残した場合、人によって、その意味が1日ずれることがあったのです。

私の解釈では、9月7日まで休みで9月8日から出社。
みんな、そうだろうと思っていたのですが、ある人に内線をかけると、9月7日に出社します、という意味で「9月7日まで不在」と表示させていたことがありました。

「NHK気になることば」には、まさにこのことが出ていました。

NHKが調査したところ、4割近くが9月7日に出社すると捉えていたそうです。高齢者だとそれが2割ぐらいなので、若い人に顕著だったようです。

こんなに割れているとは思いませんでした。
外部の方には「○○は9月7日まで休みで9月8日より出社します」と伝えたほうが確実ですが、電話のメッセージ文は変えられません。

このように、けっこう「~まで」という言葉は微妙なのです。

「この電車は中野駅まで停まりません」という場合は、中野駅には停まるということですよね。中野駅も停まらない、ととる人はいないと思います。

「雨は土曜日までは降らないでしょう」という場合は、土曜日に降るのか、日曜日に降るのか、どちらにとってもまちがいではないそうです。

私などは、完全に土曜日は晴れと思ってしまいますね。このあたりは受け取る側の性格も関係してくるのでしょうか。

天気はけっこう影響が大きいので、NHKでは「土曜日までは晴れますが、日曜にはぐずつくかもしれません」などと、明快な放送を心がけているそうです。

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