ランデブー

昨1月31日、BSプレミアムで放映された「あん」(河瀬直美監督)をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。

 

この映画、実は私が住んでいる街で撮影されました。

帰宅途中にロケ隊を何度か見かけたこともあります。

 

かつてハンセン病を患っていた老婦人(演じるのは樹木希林)の話で、療養所が出てきますが、そのモデルになっているのが、当市にある全生園(ぜんしょうえん)という所なのです。

 

現在は一般の人も立ち入り可能で、桜の季節に行ったことがありますが、広大な一つの街のような場所です。

 

映画に知っている街並みや、店、建物が登場するのは、やはり興味深いですね。

樹木さんと市原悦子さんの演技が圧巻でした。

 

再放映の機会があれば、ぜひご覧いただければと思います。

 

 

さて、今日も死語の時間です。

『俗語発掘記 消えたことば辞典』(米川明彦)からです。

 

まずは「モーションをかける」。

ナンパする、誘惑する、という意味です。

 

谷崎潤一郎の『痴人の愛』に出てくるというから、相当に古いです。

一世紀近く前の作品です。

 

野球でピッチャーの投球動作を「モーションを起こす」といいますが、そこから転じたことばです。

 

野球は明治時代から人気で、当時は野球といえば学生野球のことでした。

プロ野球ができたのはあとからで、プロ野球のほうがマイナーな存在でした。

 

似たようなことばに「こなをかける」もあります。

いずれも死語です。

 

もう一丁「ランデブー」はどうでしょう。

 

これはデートのことですね。

逢い引きの意味、といっても逢い引きも死語でした。

 

明治時代にフランスから入ったことばで、この時代はアベックとかフランス語がオシャレだったんでしょう。

 

1960年代には人工衛星のドッキングを「ランデブー」と言っていました。

ランデブーの意味が何かによってその人の年代がわかってしまうので注意です。

 

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