スタイリスト

少し前の話になりますが、GWの5月4日のことでした。
ある方に「今日は何の日ですか?」と聞かれたのです。
3日は「憲法記念日」、5日は「こどもの日」なのは皆知っていますが、4日は?
そこで私は堂々と「あー、それは『国民の祝日』ですね」と答えてしまいました。
全然違うじゃないですか。

正しくは「みどりの日」ですね。
「みどりの日」は4月29日だと思ってましたが、それは平成18年まででした。

翌19年から4月29日が「昭和の日」、5月4日が「みどりの日」になったのですが、それが私の頭から抜けていました。
飛んだ恥をかいたわけですが、そんな簡単に祝日を変えるなと八つ当たりしたくもなります。

さて、今回は「スタイリスト」という言葉についてです。
和製英語にも少し関係しています。

スタイリストというと、誰もがファッションの専門家を思い浮かべますよね。
これは英語にもそういう意味があるので和製英語ではありません。

以前は「かっこつける人」「気取り屋」という意味でも使われていました。
これは和製英語に近いですかね。

英語でスタイリストというと、主な意味としては「名文家」として使われることが多いですね。
これはあまり知られてないですね。

最近読んだ本でそれが出てきました。
『フィリップ・マーロウの教える生き方』(レイモンド・チャンドラー  早川書房)です。

その編者(マーティン・アッシャー)の前書きに、チャンドラーが名文家であると書かれていて、
その「名文家」に「スタイリスト」とルビ(ふりがな)がふられていたのです。

ちなみにマーロウとは探偵でチャンドラーの小説の主人公です。
作者の分身ですね。

たとえば「SEX セックス」の項では、こんな会話があります。

「男ってみんな同じなんだから」
「女だってみんな同じですよ。最初の九人を別にすれば」

ふつうの生き方を教える本とは違いますよね。
あとは自分で考えてくれって感じです。

それにしてもスタイリスト=名文家とは、新鮮な感じがします。
訳しているのが村上春樹ですから、さすがスタイリストによる仕事でした。

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