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原稿手直し
今まで多くの著者の方と接してきて分かったことは、文章を書くという行為がいかにすばらしいかということです。ただし、書き終えた後に、どこか不安というか、未完成の部分があるのではと感じたことはありませんか?
ポイント1: 間違いや変更点を客観的な眼で発見します
自分で完成したと思っても、実際はまだまだよくなる余地があるというのが、ほとんどの方の原稿の実情です。
何回も自分で見直したから、もう直す所がない、と自信を持って原稿を渡す方も多いですが、やはり他人の眼で見ると、間違いやこうしたほうがよいという点が必ず見つかります。
なぜなら、自分が書いたものはすでに内容が頭に入っているため、何回読んでも、抜けている部分などを素通りしてしまうのです。客観的な眼で見ることがいかに重要かわかると思います。
ポイント2: 原稿手直しのない会社が多いのが実情です
そこで、原稿の手直しという作業が必要になります。自費出版の会社の制作工程を見ると、この「原稿手直し」の工程が入ってないことが多いです。
なぜかというと、これには、マンパワーが必要なので、どうしてもお金と時間がかかるからです。早く安くということで満足できればよいですが、出来上がった本は長く残るものなので、それが不完全では、作った意味がありません。
また、編集のある会社もありますが、あらかじめ刊行スケジュールが決められているので、どうしても時間との戦いになりがちです。その月の売り上げ計上などの会社の事情もあります。契約してから原稿を完成させるのではなく、十分に手直ししたものを渡して契約したほうが、出来た本に満足する確率が高くなることは間違いないのです。
ポイント3: 原稿手直しの二つの作業
この原稿の手直しには大きくわけて二つの作業があります。
基本作業(原稿整理、編集)とリライト作業(文章の削除・追加、全体の構成、章立て、文の入れ替えなど)です。
原稿のジャンルは自伝、エッセイ、小説、ノンフィクションと多岐にわたります。ジャンルは問いません。
基本作業
基本作業では、まず、誤字・脱字のチェック、ファクト(事実)のチェック、内容が重複している部分のチェック、文体(「です」「ます」で終わるものと「である」「だった」で終わるものの混在など)のチェックをします。
リライト作業
その次の段階がリライト作業になります。まず、全体の構成(章立て)を考え、著者の方が強調したいテーマを明確にします。
【文章の削除】
文章の削除というのは、多くの方が、同じ内容のことを何度も書いてしまうことがありがちだからです。それはある程度まとまった文章もそうですし、登場人物の名前などもそうです。たとえば次のような文章です。
「二郎は部屋に入った。二郎はカーテンを閉めると、テレビのスィッチを入れた。そこには二郎の妻が映っていた。二郎はそれを見て腰を抜かした」
と、やたらに「二郎」が出てきます。これが全編にわたると、かなり読みづらくなるのです。それを省略することで、全体がすっきりして読みやすくなります。
【文の入れ替え】
文の入れ替えというのは、たとえば次のような文章の場合です。
「坂本は多くの外車を持っていた。それはフェラーリ、アウディなどだった。坂本はその土地では有名な資産家だったので、ほかにも高価な美術品や骨董などを集めていた。贅沢三昧の男だった」
これを入れ替えると、
「坂本はその土地では有名な資産家だったので、フェラーリ、アウディなどの多くの高級車を所有し、また美術品や骨董も価値のあるものしか持たなかった。贅沢三昧の男だった」となります。
ポイント4: 大事な本のタイトルや見出し
本のタイトルや見出しなども、大事なので、そのアイデアを出します。
タイトルなどは、いくつか候補案を出して、選んでもらうような方法を取ることが多いです。一般にタイトルやペンネームはカバーができる前であれば、変更は可能なので、仮に決めておいて、後から変更するという段取りでも十分間に合います。
ポイント5: 帯のコピー
本に帯がある場合は帯のコピーなどを提案することも可能です。
帯の表側にはキャッチコピー的なものが多く、できれば簡潔なものがよいです。常套句も避けたいところです。
帯の裏側は、本の内容が分かるようなもので、目次にあるタイトルを入れたり、どこかの文章の一節を入れたりすることが多いです。どこを切り取るか、それによって、編集者の資質が問われます。
著者の想いとぴったり合致すると「いや、よくここだとわかりましたね」とおっしゃることもあります。そんなときこそ編集者冥利に尽きます。
原稿手直しのお申し込み方法
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